隆峰詩集

 時として”悪たれ”がくる

窯は何時焚くのか

 三月頃になるぢゃろう

いっぱい造ったのう、全部三月まで置いちょくのか

 放っちょく外に手はないぢゃろう

三月の窯が、初窯になるのか

 初窯は一月中に焚かんと、初窯とは云わんのぢゃないか

そうか三月ぢゃ初窯にならんのか

 今年最初の窯にかわりはないが三月ぢゃえんかが抜けてしもうて

そうか、ぢゃ三月の窯はやよい窯とでも云うか

 いやいやただの窯焚きぢゃ

ただの窯焚きか

 ただの窯焚きぢゃが、ただものぢゃない

 命がけでの窯焚きぢゃ

一寸大袈裟ぢゃないか

 いや大袈裟ぢゃない

ぢゃ三月には見に来るぞ

 いや見せん、見せ物じゃない

見せんのか

 見せん、さっき云うたぢゃろう

 俺の命がかかっちょる窯焚きっちゃ

             一月十三日

*えんか…艶香

 

詩誌「珊瑚樹」126号掲載